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痴漢で目覚めた僕5

マンションの廊下とはいえ室内とは大違いだ。春先の風が悠真のスカートを撫で、彼は思わず内股になり、両手でスカートを押さえる。ショーツまで菜穂子のお古を穿かされている為、スカートの中を見られる恥ずかしさは本当の女の子以上なのだ。
「うふふ、仕草まで女の子みたいね。」
菜穂子は嬉しそうに呟くと、躊躇している悠真の腕をつかんでエレベータに向かって歩き出す。平日の昼間とはいえ、人口の多い街だから人通りは激しい。声を出すと男と知れるかも分からないため、悠真は菜穂子に抗議も出来ずにただ俯いて歩き続けた。
菜穂子のマンションから渓聖高校までは意外と近かった。悠真は昨日入学式に出席したばかりの校門前で足をがくがくと震わせた。
「こんなところに連れてきてどうしようというんですか!」
さすがにたまらず悠真は大声を上げた。玄関脇の小さな建物の中の守衛が声に驚いて顔を出す。悠真は見られた事で顔を真っ赤にする。
「どうしようってゆまちゃん、今日からここに通うんでしょ。」
菜穂子はこともなげに言うと、再び悠真の腕を引いて校門に向かう。
「あっ、だめっ!入れないよ!」
昨今の私立の高校だから警戒は厳重だ。もちろん校門は閉まっているし、先程の守衛が目を光らせている。男子としての学生証しか持たない悠真はもとより、その女子に変装した在校生を連れた菜穂子が入校できる筈が無い。しかし守衛は二人を止めるどころか、菜穂子に頭を下げた。
「これは篠原先生、ご苦労様です。」
「先生!?」
悠真は叫んでから慌てて口を押さえる。幸いな事に守勢は悠真の正体に気付いた様子は無い。しかし初老の男性特有の若い少女を舐め回す様な視線に彼はおぞましさを感じて菜穂子の背中に隠れた。
「そう言う訳よ、川原悠真君。」
菜穂子は守衛に会釈して無人の校庭を歩き出す。校舎からは窓際の生徒が、おかしな時間に登校してきた悠真を眺めている。遠目だから女装だとは気付かれないと思ったが、悠真はあまりの恥ずかしさに心臓が止まりそうになった。
「しばらく待っててね。」
菜穂子に教員室の前で待たせられると、一人廊下に残された悠真は自分でも信じられないほどの孤独感に襲われた。なにしろ男子高校生が自校の女子生徒の制服姿で学校内にいるのだ。菜穂子がこれから自分をどうしようとしているのかは分からなかったが、その菜穂子でもいいから傍にいてほしい、と悠真は心から願った。
悠真にとって長すぎる5分ほどの時間の後、菜穂子はようやく教員室から現れた。
「事情は説明しておいたから心配はないわ。さぁ、教室へ行くわよ。」
「きょ、教室!?このままの格好で!?」
予期していなかったといえば嘘になるが、女子生徒の姿で級友と顔を合わせる事を現実として告げられた悠真の顔は蒼白になった。

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