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痴漢で目覚めた僕7

学校での屈辱の一日を終えた悠真は、またしても帰りの駅で夕刻のラッシュに揉まれていた。男子制服は菜穂子のマンションに置いてきたため、もちろん彼は女子制服のままの姿だ。菜穂子のマンションに行くという手もあったが、今度足を踏み入れたら男の子でいられなくなる気がした悠真は恥ずかしさを堪えて、自宅へ帰る道を選んだ。なにより、帰れば替えの男子制服があるのだ。
しかし都会の地下鉄は夕方も早朝と変わらぬ人混みだった。悠真は慣れないスカート姿で人波をかき分けて電車に飛び乗った。
『あれ変だな?』
車両に乗ってすぐに悠真は違和感を覚えた。先程まで多くの男性に揉まれ、中にはすれ違いざまにわざわざ身体に触れるエロオヤジに恐怖していた悠真だったが、車両内には見渡す限り女性しかいなかったのだ。スーツ姿のOL・制服姿の女子中高生・中にはもちろん悠真と同じ制服の女生徒もいる。その車両が『女性専用車両』だということを、田舎育ちの悠真は知る筈もなかった。
訳が分からないまま悠真はドアの付近に外を向いて立った。他人と目を合わすのが怖かったのだ。しかし、朝ほどでは無いにしろ相応の混み具合の中、彼はほとんどが自分より大きい女性達に揉みくちゃになる。だがそれは、本来若い男性である悠真にとって必ずしも嫌悪する事ではなかった。彼が少しだけ鼻の下を伸ばし、状況を満更でもないと思い始めた時、
「あらあら、乙女の園に男の子が混じっちゃダメよ。」
耳元で囁く声。
菜穂子だった。

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